父に届く言葉で。

愛の1ページ


「ずっと、同じ場所で、生きていきたい。」


小さい頃から、
そう思ってた。


朝起きたら、
昨日と同じ天井があって。

学校までの道に、
昨日と同じ犬がいて。

パン屋のおじさんが、
「おはよう」
って言ってくれて。


幼稚園の頃から知ってる子と、
大人になっても、
なんとなくスーパーですれ違う。


同じ顔ぶれ。
変わらない毎日。

でも、そこにある、
私に馴染んだ幸せ。

そういう毎日を、
愛でたかった。



引っ越しの段ボールの匂いが、
嫌いだった。

慣れない家。
慣れない土地。
知らないスーパー。
知らない学校。

転校生を見る、知らない人たちの目。



ねえ、どうして。


同じ場所で生きていける人もいるのに、
私は、
知らないがいっぱいの土地で、
また、最初からやり直さないといけないの。



お父さんの、せいだよ。



お父さんは、
転勤族だった。


九州の長男なのに、家を出て。

色んな土地へ行って。

色んな土地で、
美味しいものを食べて。

知らない街の話を、
楽しそうにしていた。


それが、
子供の頃の私には、
悲しくて、寂しかった。


私はずっと、
「ここにいたい」って、思ってたから。



でも、もっと嫌だったのは、
お父さんを、
悪者にすることだった。


お父さんは、悪くない。

本当は、お父さんだって、転勤なんかしたくないでしょ。


だけど、そうさせてしまう
会社が悪い。
社会が悪い。
戦後の日本が悪い。
終身雇用が悪い。
転勤文化が悪い。

ってことにした。


だから私は、
ずっと、そっちと戦ってた。


会社のせいで。
社会のせいで。
日本のせいで。


「お前のせいで、不幸になった」って。


気づいたら、
ものすごく大きなものと闘ってた。


でも本当は、
そんなこと、したかったわけじゃないの。


ただ、
お父さんを、
悪者にしたくなかった。

それだけだった。


お父さんは、
昔ながらの九州男児で
あまり言葉は得意じゃない。


「愛してる」
なんて、もちろん言わない。

でも、
仕事帰りに、
ケンタッキーを買ってくる。

お金に不自由させない。

小学生の頃には、
もう分かっていた。


それが、
お父さんの、「愛してる」なんだって。


だから私は、
喜んで、受け取った。


お父さん、
それしかできないって、
知っていたから。



私は、ずっと、
お父さんの言語を
覚えようとしてた。


お父さんが分かる世界で、
お父さんに、愛を返したかった。


だから、
お金のことを勉強した。
仕事のことを勉強した。
会社のことを勉強した。
社会のことを考えた。


いつでも、それで、
お父さんと話せるように。


お父さんの世界を、
知ろうとした。

お父さんが見てる世界を、
同じように、
見ようとした。


ねえ、
私も、そっちに行くから。

お父さんが見てる世界を、
私も見れるようになるから。

だから、わかってよ。



そしたらね、
気づけば私は、
誰かを好きになるたびに、
その人の言葉を、
覚えようとしてたよ。

健気でしょ。



でも、でもね、
どれだけ頑張っても、
わかってもらえてないような気がした。

私が、お父さんのこと、
こんなに好きだってこと。


お父さんには、
そんな繊細なセンサーは、搭載されてない気がして。


だから、私は、
もっと大きなことで、
証明しようとした。


私とお父さんを不幸にした
会社を変えれば。
社会を変えれば。
日本を変えれば。


そしたらいつか、
お父さんにも、
伝わる気がした。



ねえ。
私、
こんなに、大好きだったんだよ、って。



でも、気づいてしまった。



お父さんは、最初から、不幸じゃなかった。

なのに、私は、
ひとりでずっと、
戦い続けてた。


火が消えないように。
怒りがなくならないように。


ほんとは、
戦いたかったんじゃない。

不幸だと、
証明したかったんじゃない。


ただ、
お父さんに、
「大好き」だって、
わかって欲しかった。


だから、私、
お父さんの大事な、
仕事で一人前になって、
お父さんに教えてもらったお金で、
ちゃんと自立して
社会と、怒りで繋がろうとした。



「お父さんのために、こんなに出来るよ」って。


それがね、私の「大好き」だった。



ズレてるよね。
笑っちゃうよね。

そんな娘、
可笑しいよね。


でも、私、本気だったのよ。

本気で、お父さんに届く「大好き」を、ずっと、探し続けてたのよ。




私、
自分のこと、
器用だと思っていた。



でも、
好きな人と同じ世界で生きたくて
「大好き」だとわかって欲しくて

気づけば、
日本まで背負ってた私は、
案外、不器用なのかもしれない。


でも、
そんな愛し方しか
できなかったのも、
きっと、お父さんの娘だから。


似たもの親子だね。



ズレていて。
可笑しくて。
こんなにも、愛おしい。


だから今日も、
私らしく、伝えるよ。



日本を変えなくても。
社会と闘わなくても。



ケンタッキーを提げて帰ってくる
お父さんを見ながら、

「ありがとう」って笑える世界があれば、
それだけで、いいのかもしれない。



​・┈┈┈┈┈┈┈┈ ・

これは、
『愛の1ページセッション』から
生まれた物語。

あなたの人生にも、
まだ知らない愛の物語が、
きっとある。

・┈┈┈┈┈┈┈・

愛野ひとの生い立ち【My love story】
もっと知りたい!と思ってくださったら、画像をクリック♥

愛野ひとのセッション
愛の1ページ

セッション募集は、
公式LINEで優先的に
ご案内いたしますので、
ぜひ登録してお待ちください♡

愛野ひとの【公式LINE】
最新情報がエネルギーとともに1番早く届きます♡
一緒に自分を愛して生きていきましょ♡
ご登録はこちら⬇️

友だち追加

コメント