どうしようもなく愛してた、どうしようもない男の忘れ方-2-

愛した男の忘れ方

「忘れ方」というタイトルで、
「忘れられねえ」って話を
延々とした前回に続き
どうしようもなく愛してた、どうしようもない男の忘れ方

全然忘れられないので、
待望の(?)シリーズ化決定しました(笑)

みなさまのご期待通り(?)忘れるどころか、
「なにがなんでも手放す」という思いを、
必死に握りしめているという矛盾にまみれながら、
日々を生きています(笑)

お得意の本末転倒。

だってね、
彼に感じていた寂しさ、不安、苦しさ、
そういう感情が、
全部、私自身がずっと握りしめてきたものだから。

ちょっとやそっとじゃ、
手放せんのですわ。

それらを手放すことは、
きっと私の一部を切り離すような感覚
なのかもしれないと思う。

そして、それを、手放したくないから、
こういう男を愛してしまうのかもしれない。

でも、もう、それを手放したくて、
こんなにもがいているのかもしれない。

それでも、愛することを諦めきれなくて。
それでも、幸せになることを諦めきれなくて。

カウンセラー仲間のくにほさんの助けを借りて、
今日も私は愛を叫ぶ。





彼は、無表情で立っていた。

私は、彼に、「話したい。」って、伝えた。

前に、「話したい。」って伝えた時と同じ、
ものすごい話したくなさそうな彼がいた。
私のことが、重いんだろうなって、思った。

「ねえ、私のこと、重いって、思ってる?」

「重いとは思ってない。」と、彼。

でも、言い訳を真剣に考えているときの顔だった。
ああ、いつもの口だけだなって、感じた。

「なんで?」とくにほさんが聞いた。

彼は、感じたくないんだ、
と思ったから。
私の気持ちも、自分の気持ちも。
そして、私のこと、
どうしていいかわからないし、
どうもしなくないんだ、と思った。

それが、彼の答え。

そして、彼がそういう男だって、
私は痛いほど知っている。


「彼に言いたいこと、ある?」って、
くにほさんが聞いた。

「あなたのこと、大好きだったけど、
でも、あなたが他の女ばっかりみてるから、
もう、無理だよ。
私のことをみてくれないなら、
会ってくれないなら、
もう私、遠くにいっちゃうよ?」

まりりんにあんなに泣かせてもらったのが2日前。
それなのに、また強がりから入る私。
2日間のあいだに、
ふりだしにもどる、
のマスにでも止まったのだろうか。

そんな私の強がりとは裏腹に、
彼は、悲しそうな顔をした。

それを見て、怒りのスイッチが入る私。

…おい。ちょっと待て。

「なんで、悲しんでるの?」

「なんで、あなたが、寂しそうな顔するの?」

「なんでそんなに都合がいいの?」

「逃げたのはあなたじゃん。」

「私の、好き、から、逃げたのはあなだだよ。」 


必死に彼を責める私。

お前に悲しむ権利なんて
……あるわけねえだろ。


「私が、傷ついてないと思った?」

「どうして、わかってくれないの?」

「私が、傷ついても、いいと思ってるの?」

「どうして、他の女のところに行くの?」

「もう、死んで…。」


怒りは収まらないけど、言葉は途切れる。


「彼は、強がってる愛ちゃんしか見てないの」
「彼、さみしかったのかもしれない。」
「本当に、彼がみたい愛ちゃんは、
どんな愛ちゃんだと思う?」って、
くにほさん。


ねえ、くにほさん、
私は、ちゃんと本音で伝えたよ。
会いたいって、
好きだよって、
何度も、何度も、伝えたんだよ。
わかってくれなかったのは、彼。
わかろうとしなかったのは、彼。
こんなに強がりな私にしたのは、彼。
わかってほしくて、
必死に、くにほさんに伝えてた。

そんな私に、くにほさんは、
「彼に怒っているのは、
全部自分への怒りだよ」って、
言った。

…その言葉の意味が分かるのは、
もう少し涙が枯れてからだった。


「本当は、彼に、どんなことを
 言ってほしかった?」と、くにほさん。


…「好き」って、言ってほしかった。
「愛ちゃんが、一番好きだよ」って。

ああ、そうだ。
私は、ただ、その言葉だけがほしかった。

そう、最初の頃みたいに、
ただ、「好き」って。

でも、一番聞きたかった言葉は、
いつの間にか、
一番聞けない言葉になってしまった。

涙が止まらない。


「好きって言ってもらえなくて、
愛ちゃん、どんな気持ちだった?」

…さみしかった。
…さみしくて、さみしくて、
死んじゃいそうだった。


「愛ちゃんの素直な気持ち、
言えなかった気持ち、
泣きながら、
寂しいよって彼に言ってみよっか」

少し、抵抗があって、
でも、くにほさんの後押しで、ぽつぽつと伝える。

「寂しいよ。」

「好きだよ。」

「寂しかったよ。」

感情が振れて、怒りになって、
さみしさが涙と一緒にあふれ出る。


「私がどれだけ、寂しかったか、わかる……?」

「死んでほしいと思うほど、好きなの。」


「好きで、好きで、たまらないの。」



「愛ちゃんが、
彼に本当にしてあげたかった事って、
なんだった?」


……本当は、助けたかった。

もう、逃げなくていいんだよ。
どんなあなたをみても、
私は嫌いになったりしないから、
私が、あなたの帰る場所になるから、
もう、安心して、甘えていいんだよ。

そう言って、
彼を抱きしめてあげたかった。
彼の頭を撫でであげたかった。

「でも、できなくて、ごめんねって、
愛ちゃん思ってるはず」って、
くにほさんは言った。
それを、彼に、伝えてあげてって。

わんわん泣きながら、
鼻水たらしながら、伝えた。

「あなたを、助けたかった。」

「私がいるから。」

「私はあなたのどんなところを見ても、
嫌いになったりしないから、
大丈夫だよ。」

「本当は、もっともっとあなたを愛したかった。」

「でも、あなたが他の人といるのを見るのはつらすぎて、
もう無理って、思ってしまった。」

「愛せなくて、ごめんね。」

「諦めてしまって、ごめんね。」


彼は、悲しそうな顔をして、
ちゃんと、聞いてくれた。

そっか。

底なし沼みたいな、
「なんで、わかってくれないの?」
の先にあったのは、
「わかってあげられなくて、ごめん」だった。

ありのままのあなたを、
受け入れてあげられなくて、ごめんね。

あなたの全部を、
愛し続けてあげられなくって、ごめんね。

そんなふうに、私は私を責めていたんだ。

「彼に怒っているのは、
全部自分への怒りだよ」っていう、
くにほさんの言葉が、
ブーメランみたいに返ってきて、
私の心にぴったりはまった。


「愛ちゃんの素直な気持ち、
言えなかった気持ち、
彼に言ってみよっか」


「好きだよ。」

「あなたのことが、一番、好きだよ。」

「あなたじゃないと、嫌だよ。」

それだけが、本心だった。

そしたら、目の前の彼が、
仕方ないなあって顔をしながら、
両手をひろげてくれた。

また、傷つくかもしれないけど、
それでも、もう一度、
飛び込みたかった。

だから、飛び込んだ。

大好きな彼の腕の中。
私の、大好きだった場所。

そして、まっすぐな気持ちで、
「大好きだよ。」と、彼に伝えた。

「俺も」と、昔みたいに、
耳元で言ってくれた。

純粋な気持ちに、
純粋に返してくれる彼がいた。
ずっと、彼のことよりも、
自分の痛みを見ていたから。
いつからか、純粋な「好き」を、
言えてなかったのかもしれない。

「この人に、幸せになってほしい」
そう、思った。

嫉妬とか、欲とか、
そういう気持ちを取っ払って、
心の奥にある純粋な願い。

そして、彼がそう思ってくれているのも、
感じた。

ずっと、抱き合っていたかったけど、
離れても、大丈夫な気がした。

「幸せになってね。」
そう伝えて、大好きだった彼の腕の中を、離れた。





「彼を苦しめているって、
思っているでしょ?」という、
くにほさんの言葉。
最初は、ピンと来なかった。

苦しめられているのは、私だから。
私が苦しいから、
彼から離れたい、そう思っていた。

だけど、そう言われて、
自分の感情を探したら、
ちゃんと、思い当たった。

「私がいなくなれば、あの子と、
好きなだけラブラブできるでしょ」
って、思っている私がいた。


「私が、もっと、彼を手玉にとれるような
いい女だったら」
「私が、もっと、彼が手放さないような
いい女だったら」
「私が、もっと、他に女がいても動じないくらいの
いい女だったら」

彼は、私を愛し続けてくれたかな?

って、思っていた。

でも、それは、本当は、
愛してくれなかった彼を、
責める言葉じゃなかったのかもしれない。


私は、彼を愛し続けられたかな?

って、思っていたんだ。


上手く、愛せなかった自分を、
愛し続けられなかった自分を、
責めていたんだ。

彼が私を傷つけていたんじゃない。
私が、私を、傷つけていたんだ。


「本当は、ずっと、
愛し続けたかったんだよね」
「彼だって、愛し続けたかったんだよね」

くにほさんのその言葉を聞いて、
昔、彼が言ってくれたことを思い出した。

「愛ちゃんは、いい女だよ。」

「不器用なところが、
愛ちゃんのいいところだと思う。」って。

「重くても、嫌いになるわけじゃないから、
大丈夫。」って。

私が嫉妬して山火事を起こす度、
消火活動にあたってくれていた彼。

そんな彼の言葉を、
信じられなかったのは、私。

これでもか、これでもかって、
火炎放射を、浴びせ続けたのは、私。

彼の心を、焼き切ってしまったのは、私。


「こんな私でも、愛してくれる?」
っていう私と、
「こんな俺でも、愛してくれる?」
っていう彼との戦い。

苦しかったね。

先に終わらせたのは、
どっちだったのかな。

ねえ、あなたは、こんなことを、
意識して思ったりは
決してしないだろうけど、
でも、愛し続けられないことが嫌になって、
離れたのかな。

嫉妬して、悲しい顔をする私を見て、
幸せにできなくて、ごめんって
思っていたのかな。

愛し続けられなくて、ごめんって、
どこかで、思ってくれていたりするのかな。


私、すねてたもんね。
自分のことで、
いっぱいいっぱいだったもんね。
愛しにくかったよね。

ねえ、だから、私より、あの子を選んだの?

私より、
受け取り上手で、愛しやすそうな、
あの子のことを。


もっと、笑っていられたらよかった。
もっと、素直でいられたらよかった。
もっと、あなたの愛を、受け取ればよかった。

でもね、あのときの私にとっては、
あれが精一杯だったんだよ。

今の私にとっても、
これが精一杯なんだよ。

そして、あなたも、そうなんだよね。

あなたも、
今は、連絡を返さないことが、
私とは会わないことが、
あなたの精一杯なんだよね。


愛し続けてくれなかったあなたを許すことは、
愛し続けられなかった私を許すことだよね。


もう少し、時間はかかりそうだけど、
全部許して、
大好きで大好きで仕方なかったよ、
だから、絶対に、幸せになってねって、
笑顔でさよならできる私に、
きっと、なるからね。

待っててね、私の大好きな人。





くにほさんへ♡
くにほさんの声は、
優しくて穏やかで
どこか全てを見透かしたような安心感で、
心の奥の奥にある、
私の本当の気持ちを
優しく包み込んで、
そこに目を向けさせてくれました。

そして、すごく、温かくて、
自分を許していない私を見つけて、
愛で包んでくれました。

私の中の愛を信じて、
彼に対する幸せを願う気持ちを信じてくれて、
ありがとう。

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