好きな人が恋人になった日【後編】

ゆきずりの恋たち

好きな人が恋人になった日【後編】


***



こんばんは。愛野ひとです。


好きな人に気持ちを伝えたいけれど、
なかなかそういう雰囲気にならない。


そんなもどかしい私と彼の攻防、後半戦です。

前半戦はこちら。




***



「いつかは、また地元に帰らないといけないからね」と、
ビールを片手に、彼は何気なく言った。



夜ご飯を一緒に食べているとき、
彼の口から出たその言葉に、はっとする私がいた。



彼が、仕事で東京に来ていることは、
知ってはいたけれど、
それはつまり、
彼が東京にいる時間に限りがあるということなんだと、
ちゃんとは、想像してなかったんだと、気付いた。


今日、一緒にいて感じた、
どうしてもつかみきれない彼の気持ちは、
そのことに対する
引っかかりもあるのかもしれないと思った。


彼がそれを自分で意識しているかはわからないけど、
彼との距離を縮めようとする私が、
確かに感じているこの壁は、
それも関係しているのだろうか。



ずっと、一緒にいられるわけではないのかもしれない。



だけど、そんなの、どんな恋愛だってそうだ。

ずっとどころか、明日だってわからない。

だから、そんなことで、ひるむ私ではない。


私は、好きになったら、
一緒にいる今を大事にしたいと思うし、
東京を離れて暮らすことを今は考えられないけど、
本当に彼との未来を望むほど好きになったら、
きっと地球のどこだって、
空気があるところならついていくような女だと思う。



だけど、彼は、きっと、
自分に、ついてきてほしい、と、言う人ではない。




そんな気がした。




私の頭の中でそんな想像がされていることなど
気付きもしない彼は、
肩を回しながら、
「人混みは肩が凝るからね」と、言った。


人混みが苦手で、気を張ってしまうけれど、
私が行きたいという場所に、
連れていってくれたんだなと思うと、
とても嬉しいのと同時に、彼を愛おしいと思った。




***




夜ご飯を食べ終わって、
彼と最初にデートした日に行った、公園に誘った。



私は、まだ、今日の一大ミッションを終えてないのだ。



彼の隣を歩きながら、私は、何度も、わざとゆっくり歩いた。

彼が気付いて振り向いて、私が、彼の袖を掴む。

でも、それで、終了だった。




彼の手までが、やっぱり、ものすごく、遠かった。




公園は、初めて行った日よりも混んでいて、
座れなかった。


ベンチに座れさえしたら、
どさくさに紛れてくっついたりできるのに、
一大ミッションを控えている私に、神様は冷たい。


彼は、次から次へと、たわいもない話を続けた。
あえて沈黙を作ろうと私が黙っても、
しばらくすると、彼が話し始める。




全然、そういうムードにならない。




こういうとき、
私に搭載されている深読み機能は、
私を蹴落とそうとしてくる。



もしかして、彼は、気付いていて、
私に、言わせないようにしている…?



本当は、深読みって、
きっと危険を察知して、
事故を回避するためにあるべきものなのに、
私のこの機能は、
自爆を誘発しようとしてくるから、
とてもやっかいである。



だけど、
もしも、私の深読みが当たっているとしても、
それを超えていくしかない。


私が欲しいものは、その先にあるから。


心の中で、覚悟を決めた。




「今日はありがとう。ほんとに楽しかった」



「こちらこそ」



「ねえねえ」と、私は、彼の腕をつんつんした。



でも、言おうと思った瞬間に、
手が震えてきて、
喉の奥が閉じてしまって、
その先の言葉が出なくなった。



「何?なんかあったの?」



「あのね、言いたいことがあったんだけど、
言おうと思ったら、言えなくなってきちゃった…」



「…そしたら、自然と言えるまで、あっためといたらいいんじゃないかな?」



彼は、やっぱり、言わせないようにしているんだろうか。
やっぱり、避けようとしてるんだろうか。



「でも、言いたいから、言っていい?」

「でも、言いたいから、言っていい?」


緊張で、同じことを2回言う私。



彼は少し微笑んで、「物申す?どうぞ」と言った。













「………私、あなたの彼女になりたいです」










「いいと思います」








思わず笑った。

いいと思いますって。



私は吹き出しながら、「おっけーってこと?」と聞いた。



彼は、表情を変えずに、
もう一度「いいと思います」と、言った。



彼のその態度が笑えてきて、私の緊張は解けた。
緊張さえしなければ、あとはこっちのものである。



「あなたを、好きになりました。」


今度は、目を見て、まっすぐに言えた。



彼は、顔をクシャッとさせて、笑った。
そして、ありがとう、と言った。



………………ぼ、僕もです、とかではないのね?笑




「僕は、そういう愛情表現とか豊かな方じゃないから、寂しい思いをさせるかもしれません」と、彼は続けた。

「言わずともわかってるでしょ、と思うタイプだし、めんどくさいと思ってしまう」と。



「私は、そういう愛情表現を求めちゃう方だけど、求められるのも嫌ですか?」

彼につられて、なぜか私もかしこまる。


「例えば?」

「えっと…まず、今の時点で、私のことどう思ってるの?とか、聞いちゃう」



少し考えて、彼は話し出した。



「とても好意的に思ってます。
すごく空気を読む人だなって、察することができる感性を持ってる人。

ほんとに優しく生きてるなって思う。

傷つくことも多いと思うし、
そうやって生きることは難しいことだと思うけど、
そういう中で、カウンセラーっていう職業を選んだのは、本当に天職だと思う。

僕は、そんなに優しくは生きられなかったから、そんなふうに生きてるのを見せつけられると、僕に足りないものがあったなって思わされる。
今まであった中でいちばん、察して生きてる人だって思う。」




私は、一番気になったところを切り返した。




「僕は、そんなに優しくは生きれなかったってことは、あなたも、優しいってことだよね?」


「・・・たぶん。」と、少し困ったように、彼は続けた。


「優しく生きられたらいいなって思うけど、でも、優しく生きてきて、あんまりいい思いをしたことがなかったんだ。
察する人って、傷つきやすいから、大人になる程、自分を守るようになるでしょ?傷つきやすくて、傷つけやすい。
だから、自分のことで手一杯な感じ。」

「いままで会った人の中で、こんなに察して、嫌な気持ちにならない人って、いなかった」


彼がそういう風に
私を見てくれていたことに、私は、泣きそうになった。

彼のその葛藤も、
自分より優しく生きている人を見て
そういう気持ちになることも、
すごく、わかるような気がした。



「私は、あなたほどは鋭くはないけど、
それでも、人と比べて、傷つきやすいことは多かったと思う。
だから、私も、殻にこもって、自分を守ってるところはある。


だけど、それでも、それを超えてでも、
好きな人には好きって、
大事なものは大事って言いたいって生きてるから、
それにリンクして、泣けてきた。」

と、まっすぐ前を向く彼の瞳を、横から見つめながら、伝えた。



気のせいかもしれない。
だけど、ほんの少しだけ、
彼の瞳の奥も、潤いを増して、一瞬、揺らいだ気がした。




「あっさり生きてきたの。
子供だったな、と思うけど、来るものは拒まず、去る者は追わず、入り込みすぎないように。
でも、ここ数年で、大人になって、そういうのは寂しいなって思うようになって、東京に出てきたタイミングで、いろんな人と会ってみようと思ってた。


そんなタイミングで、抜群の感性の人に出会ったと思う」と、彼は言った。




私、この人を愛したいし、この人に、愛されたい。

そう思った。




「私が、今日、こうやって伝えなかったら、友達のままだった?」


「いや、とても興味はあったから・・・たぶん、今日は言わなかったと思うけど・・・うん。」


「そっかあ。私、我慢できなくって、言っちゃった。」


「それは、ごめんね。・・・よろしくお願いします。めんどくさい男ですが。」


「いや、私もね、めんどくさい女だよ。
でもね、あなたのめんどくさいは、私の中にもあるから、わかるの。」




彼が、好き、という単語を
絶妙に避けて言葉を返してくることが、
もはや面白いと思えた。


「ほんとはね、海の時に言いたかったの。
でも、言えなかった。
さっきも、あっためた方がいいかも、
とか言うからさ、もしかして言われるのが嫌なのかなと思った」


「それは、まだ気持ちに
確信がないのかもしれないって思ったから、
それならまだ言わなくてもいいっていう意味だよ」



彼にとっては、フォローのつもりだったらしい。


ええ、そのフォロー、ガン無視して、こじ開けました。笑



「私、愛情表現求めちゃうと思うけど、いや?
好きって言ってとか言うと思うけど」


「それは、言えばいいよ。」


「私、いろいろ、聞いちゃう方かもしれない。
デートはどれくらいの頻度がいいの?とか」


「・・・それは、答えがないな。」



「じゃあ、その答えは、一緒に、見つけよ」


彼は、うん、とうなづいた。













いや、私、男前やがな。










「じゃあ、行こ。」




歩き出して、彼のコートの裾を掴んだ。


振り向く彼の手を、今度こそ、そっと掴んだ。



「こういうのも恥ずかしいと思うタイプ」と、彼は言った。


「そう?ごめんね?」
と言って、私は、恋人繋ぎをした。





***





いつか、王子様が、迎えにきてくれると思ってた。
私を愛してくれる、王子様が。


でも、王子様を、待ち切れなくて、
結局、わたしから飛び込んで、
王子になってくださいと、迫りましたとさ。



私をあったかい愛で包み込んでくれる、
私の寂しさを照らしてくれる、
太陽みたいな人を求めてたけど
いざ出会った彼は、私を、太陽にしてくれる人なのかもしれないな、と思った。


もう完成されてる愛情を、探してたけど、
愛を知っている人に教えてもらうことを、望んでいたけど、
愛の言葉をたくさんかけてもらえることを、夢見てたけど、
2人だけの愛情のかたちを、
これから、つくっていくのも、楽しいかもしれない。


次こそは、言葉でも、行動でも、
これ以上ないくらいの愛情表現で、
わかりやすく、溺愛してくれる人の愛に溺れる予定だったんだけどな。笑


だけど、
あなたと出会ってしまったから、
私は、あなたを愛そうと決めました。


また、傷ついた男を、拾ってしまった。
まあ、私だもんね。
結局、こういうのが好きなのよね…。笑



でもね、なんで、
私が、傷ついた人に惹かれてきたのか、
彼のおかげで、よくわかった。


傷ついている人は、愛が大きい人だから。

愛したくて、愛したかったのだけど、
愛せなかったことで、自分を責めた人だから。

傷つくほど、誰かを愛したことのある人だから。


その愛が、見えていたんだって、わかった。



男らしくリードしてくれること。
仕事に誇りを持って、自分の夢を追って行く人。
財力があって、一緒にいたら豊かな暮らしができそうなこと。
私の知らない世界を教えてくれる人。
自分の魅せ方を知っている人。
女の喜ばせ方を知っている人。
笑いのセンスがあって、一緒にいて楽しませてくれる人。
色っぽくて、どきどきが止まらない人。


そういうことに、魅力を感じてきたけれど、
もちろん、
今も、正直それが欲しいと思う気持ちもあるけど、

でも、
これまで、私が、もらえなかったものを、あなたはくれた。


改札口まで迎えに来てくれて、
帰りは、送ってくれる。
改札口を通って、振り向いても、
まだ、待っていてくれる。
もう一度振り向いても、
まだ、いてくれて、手を振ってくれる。


頼んだお酒が好みじゃなかったとき、
それもらうから新しいの頼みなよ、と言ってくれる。

美味しい美味しいって食べてると、
足りなかったら、もう一つ頼めばいいよ、と言ってくれる。


例えば、
もしも私の話が上手く伝わらなくても、
あなたはきっとちゃんと最後まで聞いてくれるだろうと思う。

もしも私が何か失礼なことを言っても、
勝手に怒って、私に幻滅したりしないだろうと思う。

私が言葉に詰まって無言になったら、
私が話し始めるまで、待っていてくれるだろうと思う。

私のメイクが完璧に決まってなくても、
そんなこと気にしないだろうと思う。


だから、そのままの私で、いられる。



だけど、今まで、私が好きになった人だって、
本当は、そうだったのかもしれない。

私が、勝手に、期待して、相手を上に見上げすぎてた。

何より、私が、
完璧にならないと、私は愛してはもらえない、って、
強く、強く、思ってた。

あの人も、あの人も、
もっと、本当は、私のこと、
愛そうとしてくれてたのかもしれないのに。


愛を受け取れないって、こういうことか、と思った。



今、私の目の前にいる彼は。

物にこだわりもないし、
髪のセットもしてないし、
わかりやすい男らしさみたいなものは全然なくて、
むしろ可愛いものが好きで、
私よりも女の子みたいだなと思うところもある、
もしも、少し前の私なら、絶対に好きにならなかった人。



今、彼の魅力がわかる私で出会うことができて、よかったな。



彼のやさしさの一つ一つが、
今の私にとっては、
かけがえのないものだと、感じられる。


あなたは、気づいてないみたいだけど、
あなたの心には、
もう、たくさんの、愛があるよ。


どんなに、無いふりをしても、
あなたは、こんなにも、愛で溢れてるよ。


あなたのたくさんの愛を、私が見つけて行くから。


私と出会って、恋をするんだから、
もうその時点で、
本当は、ひたすら愛したい人に、決まってるよね。


そのことを、私の愛で、返していけたらいいな。

私の心に、彼の愛を映していけたらいいな。





愛情表現をあまりできないという彼。
仕事の関係で、東京にずっといるわけではない彼。
結婚願望とかがあるのか、本当のところは、わからない彼。


愛情表現をしたいしされたい私。
東京でカウンセラーの仕事をして生きていきたい私。
最高に大好きな人との結婚に、夢を見てる私。


30歳の誕生日までに、
王子様に導かれて、
とんとん拍子に結婚まで進むレールに乗る
ラスト20代を送る予定でしたが、
どんな未来になるかわからない恋を、また、始めます!!!笑


たくさん学んで
たくさん変わって
たくさん笑って
たくさん泣いて
たくさん感じて
たくさんのことを決めて行く恋になりそうです。



まだまだ、ジェットコースター人生、続く予感。笑




***









彼と付き合ったときの私の気持ちを、
そのとき書いてた下書きをもとに綴りました。



彼と付き合って、もうすぐ1ヶ月。



ブログを書くのがマイペースすぎて、
現実だけ進んでいって、
下書きが取り残されてました。笑



あのですね、このころの自分とは、
心境の変化がありすぎて、
幸せいっぱい、というだけでは、
正直、なくなっています。笑(笑えんがな)

だけど、
上手くいかないことも含めて、それも、私なので。

そんなことも、
これからブログに書いていきたいと思っています。


また、ブログには書ききれていない
私の本音をお話しする会を、
12月17日(木)20:00~21:00@オンライン
で予定しています。


幸せを報告する予定でしたが、
今の私の心に正直にお話ししたい。


ということで、
幸せ報告会あらため、
\幸せだけじゃない報告会/として、

長年ちゃんとした恋人がいなかった私に
恋人ができるとどうなるのか、
幸せな部分だけでなく、
本音の部分も含めて、
赤裸々にお話ししようと思っていますので、
ご興味もっていただける方は、
こちらもぜひご参加ください♥

幸せ報告会詳細と申込みフォームはこちら

(\だけじゃない/の詳細についても、別途ブログに書きます)





こんな長いブログを最後まで読んでくれたあなた。
ありがとう。
大好きです。



愛野ひと

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