私の世界は、ずっと、こんな私じゃ愛されない、の世界だった。

エッセイ

私が嫌いだったもの。



小さいおっぱい。


服を着たら、胸のところに
隙間ができてしまうような、
自己主張のまるでないおっぱい。


セックスのときに横になると、
流れるように、どこかにいってしまう、おっぱい。

かくれんぼじゃないよ。
今こそ、出てくるときだよ。

それなのに、
ここぞというときに、
何も色気を発揮してくれない、おっぱい。


昔好きだったあの人に、
小さいね、と言われた、おっぱい。


私の、おっぱい。



私のおっぱいが嫌いすぎて、
私は、誰かのおっぱいに執着した。


たぶんその辺の男性よりも、
街ですれ違う女の人のおっぱいが気になるくらい。


一人でするときに、
おっぱいの大きい人の動画を見て、
ああ、こんなからだだったら、
すごく気持ちいいだろうなあって。

でも、私には、ないから、
こんなに気持ちよくはなれないだろうなあって、
泣いてしまうくらい。


おっぱいが大きい女の人、というだけで、
頼むから、
性格が悪いとか、
何か欠点があってくれって、
神様に願うくらい。



羨ましくて、仕方なかったの。

私も、そうなりたかったなあ。


だけど、

こんなからだだから、
私の好きな人は、
私に触れたいとは、思わないんだろう、と思った。


こんなからだを抱いたって、
きっと、好きな人は、
気持ちよくなんかならないだろう、と思った。






私が嫌いだったもの。



一重の目。



写真を撮ると、
いつも、こんなはずじゃないくらいに、
存在感がなくなってしまう目。


根本がまぶたに覆われていて、
ビューラーであげようにも難易度が高すぎる、
下向きに生えたまつげ。


普通のアイプチなんて跳ね返して、
全然効果がないほど頑固な一重まぶた。


上目づかいも流し目も、
悲しいほど雰囲気の出ない控えめな目。


ただでさえ腫れぼったいのに、
泣いた次の日は、どんなに冷やしても、
お岩さんみたいになってしまう目。


正直なところ、
かっこいいとはとてもかけ離れている男友達の、
小さくて細い目に、
似ている、と言われてしまった目。


大好きだったあの人に、
小さいね、と言われた、目。



私の、目。





私の一重が嫌いすぎて、
私は誰かの二重に執着した。


女優さんから友達から
ただ街ですれ違う人まで関係なく、
きれいな二重の人がいると、
本当に羨ましくて、
嫉妬して、
なんだか胸の奥が痛くなってしまうくらい。


ああ、この人の子供は、
きっときれいな二重になるんだろうな、と、
勝手に羨ましくなって、悲しくなるくらい。


どうして、あの子の目は、
光を反射してあんなにキラキラしているのに、
私の目は、こんなに地味で目立たないんだろうって、
ずっと思ってた。

嫌いで嫌いでたまらなかった。


でも、二十歳くらいのときに、
頑固な私の瞼でも、
持ち上げて二重にしてくれる
硬い硬い芯のつけまつげと出会って、
それからは、
つけまつげを相棒にして生きてきた。

かといって整形する勇気はなくて、
すっぴんでも、
なんとか二重に近づけないものかと、
いろいろと試してきたけれど、
私の頑固な一重は、
今も変わらず、健在のまま。


だから、
どれだけメイクで二重になっても、
どれだけメイクした顔を褒められても、
私の心の奥の、
二重に対する執着も嫉妬も、
ずっと変わらないまま、
ここまで来てしまった。




こんな目で、見つめられても、
可愛いなんて、思えるわけがない。


こんな目で、見つめ合っても、
愛なんて、生まれるはずがない。


私のメイクした顔を
綺麗と言ってもらっても、
ごめんなさい、
私、本当は、こんな顔じゃないんです、
本当の私の顔をみたら、
綺麗なんて、言えるわけがないって、思ってた。




嫌いだった。


嫌いで嫌いで仕方なかった。


大嫌いだった。



鏡に映った本当の自分の顔を見るたびに、
写真に写った本当の自分の顔を見るたびに、
私、可愛くないなあって、
自分に言ってきた。




可愛い子が、
幸せそうに愛されているのを見るたびに、
綺麗な子が、
大切に扱われているのを見るたびに、


ああ、そうだよな、って。
ああ、いいなあ、って。


こんな私じゃ、だめだよなあって。



私は、いつも、誰かを見て、嫉妬して。
私は、いつも、私を見て、苦しくなった。



私は、ずっと、
好きな人に選ばれなかった私を、
認められずに、
許せずに、
私を嫌い続けてきた。



本当の私は、だめなんだ、
価値なんてないんだ、
と、繰り返し自分を傷つけて、
本当の私のことを、ずっとずっと、
隠して、隠して、無いものみたいにして、
生きてきた。


自分で自分に言う「大嫌い」が、
何よりもいちばんに
自分を傷つけるのかもしれない。

だって、
私の大嫌いは、すごくすごく痛かった。
私、ずっと、泣いてた。



だけど、
本当の自分を隠さないと、
愛してもらえないって、
ずっと、思ってた。






私の世界は、
ずっと、こんな私じゃだめ、の世界だった。


こんな私じゃだめ、の世界で、
こんな私じゃだめ、の現実を集めて、
こんな私じゃだめ、を守ってた。


どうしてだめなのか、
わからないことがたくさんあって、
私の力じゃ、
どうしようもないことが、
この世にはたくさんあって、

お母さんがいなくなったことも、
お父さんを怒らせてしまったことも、
おばあちゃんが悲しい顔をしていたことも、
おじいちゃんを傷つけてしまったことも、
友達と上手くやれなかったことも、
あの人が私を好きになってくれなかったことも、
やりたかった仕事に就けなかったことも、
苦しくて苦しくて仕方なかったことも、
寂しくて涙が出てきて止まらなかったことも、
こんな私じゃだめ、
そういうことにしておかないと、
私がだめだから、
そういうことにしておかないと、
私、きっと、生きてこられなかった。






でも、そうやって、
生きてきた先にいるのは、
今の、私。

だめなままの、私。

どれだけ認めたくなくても、
どれだけ変えたくても、
どれだけ隠したくても、
だめだと言って無くそうとした私の欠点は、
今も、ここにいるの。


こんな私じゃだめ、の世界で、
どれだけ頑張っても、
私、ずっとだめなままだった。

どれだけ満たそうとしても、
私、ずっと満たされなかった。


こんな私は愛されるはずがない、の世界で、
私、愛されたくて、
必死に生きてきた。







だけど。


まだ、私もね、
心の底から、
信じられてはいないんだけど。



世の中には、
私を、
ありのままの私を、
好きになってくれる人が、
どうやら、いるらしい。



その人は、
おっぱいの大きなあの子じゃなくても、
私のだから、このおっぱいがいいって、
言ってくれるのかな。


その人は、
ぱっちり二重のかわいいあの子じゃなくても、
私のだから、
この一重を、愛おしいと思ってくれるのかな。


その人は、
可愛く甘えられるあの子じゃなくても、
私だから、甘えてほしいと、
思ってくれるのかな。


その人は、
こんなにだめな私でも、
私だから、一緒にいたいと、
思ってくれるのかな。


その人は、
私が私だから、
触れたいと、
抱きしめたいと、
思ってくれるのかな。


私がずっとずっと嫌ってきたものを、
好きだと、言ってくれるのかな。




もしも、そんな人に出会えたら、
私、本当に、生まれてきてよかったって、
思えるかもしれない。


もしも、そんな人に出会えることを
想像するだけで、
私、涙が溢れてくるの。


その人に愛されることを想像するだけで、
私、涙が止まらないの。


今まで、そう思えなかった分も、
私、きっと、嬉しくて嬉しくて
たまらないかもしれない。


あなたに愛してもらえるから、
私は、私で、本当によかった、って。



そうやって、
私が、私でよかったと、
思えるために、
私たち、生きてるのかもしれない。



これが、私なんだと、
受け入れるために、
これが、私なんだと、
受け入れてもらうために、
生まれてきて、
生きていくんだね。



こんな私じゃ愛されない、じゃなくて、
こんな私だから愛される。

それを、感じるために。





そして、こんな私だから、
あなたを愛せるんだね。





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