悲しくなるってわかってて、会いにいくような愛し方は、もう、できないから。

寂しがりやの恋



最後の、願いをかけた歯車が、噛み合うことなく、すれ違っていった。



あんなに、この人だ、と、
思っていたことなんて、
なんだか、夢だったみたいに。


私たちのタイミングは、
たぶん、最初から、あってなかったものかもしれない。


あなたに歩み寄ってもらって始まって、
私が必死に繋いで続けていた。
どんなに私が夢見ても、
それが、現実だったのかもしれないね。



*****



終わらせたかったのだけど、
終わらせることもできずに、
終わったのだと、
ただ、私の心が、受け止めるだけの、
あっけない、終わり。


前回会ったとき、

「もう、会いにこれないと思う」

それだけやんわり伝えて、
自分の心に区切りをつけるはずだった。


でも、目の前で、
頭をくしゃくしゃして下を向く彼を見たら、
胸が締め付けられて、息ができなくて、
やんわりで、私には、区切りなんてつけられない、と思った。


だから、
ちゃんと気持ちを聞いてほしいって、
時間をつくってほしいって、彼にお願いした。



でも、彼は、いいよ、も、できない、も、
言わなかった。

聞くよ、と言ってはくれたけど、
私の望んだ形で会うことは、叶わなかった。



私にとって、
何よりも大切だったふたりの時間は、
彼にとっては、
もう一度作るほどには、
大切じゃなくなってしまったんだと知って、
そのことが、悲しくて、
ただ、痛くて、泣いた。



だけどね、ちゃんと、言った。
悲しいって。
たとえ、めんどくさいと思われても。


ちゃんと、言った。
話せる時間を作ってもらえないのなら、
会いにはいけないって。

あなたが私との時間のことを
ちゃんと考えてくれないのなら、
会いたくない、
そう思う私の気持ちを、優先した。
たとえ、嫌われても。


こんなこと言う人だったんだ、と、
思われても。
自分の寂しさをごまかして、
彼に合わせたり、しなかったよ。


私、悲しかった私の気持ちを、
隠すこともなく、
遠回しにすることもなく、
卑屈になることもなく、
ちゃんと、言ったよ。



怖かった。



そもそも、私に、
怒る資格も、悲しむ資格も、きっと、ない。

だって、もう会わない、
と思っているのも、
ちゃんと話したい、
とお願いしたのも、私だから。


お願いが望んだとおりに
叶わなかったからって、
悲しいなんて伝えたら、
最後に、彼の中で、
私は、とんだわがまま女になって、
とんだ勘違い女で、
終わってしまうかもしれない。


悲しいときも、
悲しいけど、大丈夫だよ、応援してるよ、
そうやって伝える関係で、
なんとかここまで、やってきたのだから。



それでも。
それでも、伝えずにはいられなかった。


怖くて怖くて、震えながら、泣きながらLINEを打った。



悲しいときに、悲しいと、
傷ついたときに、傷ついたと、
ほんとのことを、
言うことができない関係なら、
もう、いらないんだ。


関係だけじゃなくて、
たとえ、あなたごと失っても。


そんなことを繰り返し自分に言い聞かせながら、
涙が溢れて止まらなかった。


本当は伝える予定だった、
伝えることすらできなかった思いの
行き場がなくて、迷子だから、
ここに、書きます。



*****



私ね、あなたが好きなの。
あなたが、大好きなの。


だけど、好きになればなるほど、
寂しくなって、
寂しい気持ちが、もう、我慢できなくなっちゃったの。


私ね、本当は、
寂しがりやなの。
全然、待てる女じゃないの。


好きな人とは、
もっと一緒にいたいし、
もっといろんな場所に行きたいの。


だけど、あなたとは、それは無理だとわかってた。
あなたとここに行きたいな、
あなたとこんなことがしたいな、
いつも、そう思っても、
そのたびに、無理だって思うのが、悲しかった。


もしかしたら、普通に会いたいって、
こんなに我慢する前に、
伝えるだけ伝えてみたらよかったのかもしれないけど、
無理だよ、
そう言われたら、私、立ち直れない気がした。
怖くて、言えなかったの。


好きな人としたいことを、
何度も何度も、当たり前みたいに、
諦めないといけないのが、
本当に、寂しかった。



だけど。

それでも、あなたが好きで、
あなたのとなりにいたかった。


だってね、
たくさんデートして、
いつも一緒にいたいなら、
そういうことができる人を選べばいい。


でも、会えないこと、忙しいこと、
わかってて、
それでも、あなたを好きでいたのは、私だから。


夢に向かって、頑張ってるあなたが、好きだった。


信念持って、
自分で納得できる結論を出して、
がむしゃらに働いて、
夢中で生き抜いていく、
そんなあなたが、好きだったから。


この人の支えになりたいな。
そう思ったから。


理解したかったし、
物理的にそばにいられる時間は短くても、
心だけでも、そばにいたかった。


あなたを応援したかった。


だから、会いに行ってたの。



だけどね。

今まで、わたしを支えていた、
どんなに会えなくても、あなたがいい、
っていう気持ちがね、

寂しい気持ちを、我慢するたびに、
だんだん、だんだん、
積み重なっていってね、

寂しいなっていう気持ちの方が、
もっと、好きな人と一緒にいたい、
それが叶うような人と、一緒にいたい、
そういう気持ちのほうが、
少しだけ、
ほんの少しだけ、逆転しちゃったの。


でも、それなら、
恋愛対象じゃなくて、
友達として、
たまに会って、近況を話したりする道もあるかもって、考えた。


それなら、夢を応援し続けられる。
このままの関係でいられる。
同志みたいに、理解者でいられる。
無理やり終わらせて、寂しい思いをする必要もないし、傷つく必要もない。


でもね、私、
あなたと会ってたら、
いつまででも、あなたを好きでいちゃうなあって、
思ったの。


あなたに会いながら、
他の人と自分の理想の本気の恋をする。


それができるほど、私は、器用じゃない。


だから、もう、会いにこないって、
思ったの。



付き合っているわけでもなんでもないし、
あなたにとったら、
そんなこと言われてもっていう、話かもしれない。


それでも、
あなたに、
どうしても、聞いてほしかった。


こんなに、
あなたのことを、好きだったんだって、
どうしても、知っていてほしかった。



あなたと出会えて、
あなたを好きになって、
私は、幸せだったよ。



ありがとう。




*****




こんな私。
ほんねの私。
あなたに、見せるはずだった、
むきだしのわたし。


こんなわたしに会わないなんて、
会おうとしないなんて、
ほんと、ざんねんだよ。
大バカ野郎ーーー!


でも、あなたは、勘がいいから、
こんな私だからこそ、
会わなかったのかも、しれないね。




あいたかったよ。
あいたかった。


最後に、ちゃんと。



これからは、
私の本当にほしい幸せが感じられる恋しか、しない。


あなたに会うと、私
そんな覚悟が揺らいじゃうから、
きっと、いつまでも好きでいちゃうから。



だけど、何も言わずに、
会いにいかなくなるのは、
どうしても、したくなかった。

何も言わずに、あなたの前から、
そっと消えようと思ってた。


今まで出会った人に、
何度も、それをして、
それをされてきたけど、
あなたには、やっぱり、したくなかったんだよ。
どうしても。

私が誰かにされて、
悲しかったことは、
あなたにはどうしても、したくないと思った。


どうしても、あなたに、伝えたかった。
大好きと、ありがとうを。


だけど、それが叶わなかったのにも、
きっと意味があって、
これが、今のふたりにとって、
きっと、いちばん良かったんだと思う。

今の私には、わからなくても。




*****



私は、もう、幸せになると、決めたから。
愛されて生きると、決めたから。


あなたに出会うずっと前から、
私の居場所だった、
寂しい寂しい場所から、
私を自由にしてあげると、決めたから。



だからね。



だから、
もう、これ以上、悲しい大好きは、
重ねられないの。


もう、心にいっぱいためた寂しいを、
ごまかすことは、できないの。



ごめんね。



自分がだんだん小さくなって、
いなくなっちゃいそうなほど、
なにかを諦めていく恋は、もうやめる。

ひとりで泣かないといけない恋は、
もうやめるの。

もう、我慢して、抱えていく愛し方は、できないの。
寂しさを我慢して、笑顔でいるような、愛し方はできないんだ。


悲しくなるってわかってて、
寂しくなるってわかってて、
会いに行くことは、もう、できないんだよ。


愛が感じられないのに、
一生懸命、愛を注ぎに行くことは、
もう、できないんだよ。


わたしの気持ち、を我慢して、
あなたのため、は、もうしない。



ごめんね。
 



だけどね、私。
泣きながら、LINE打ってて、自分に、笑っちゃったよ。


だって、正直すごく悲しくて、怒ってるのに、
頑張れって、思ったから。


今日は、あなたの、大事な日。
ごめんね、で、終わらせたくない。
がんばれ、で、終わらせたい。


私、ほんとに、あなたのファンだったんだなって。
だから、がんばれって、
送ったんだよ。


夢を語る横顔が、すごく好きだったよ。
あなたの優しい声が、大好きだったよ。
あなたの見せてくれる、やさしい顔が、
本当に大好きだったよ。


わたし、
これから、
新しい恋をして、大好きな人ができても。
もう、会いにいくことがなくても。


遠くから、そっと、
応援してるよ。


あなたが、あなたの道を、
笑って、生きてますように。
ずっと、ずっと。





*****



まだ始まってもいない恋。

まじめに終わらせること必要なんて
これっぽっちもなくて、
相手の立場とか、状況とか、何にも考えてない、
ただ、自分のためなのかもしれない。


ただ傷つきにいくだけで、
ただ傷つけるだけなのかもしれない。


でも、それでも、
私は、私のために、
ちゃんと終わらせて、
また、新しく、ちゃんと始める必要があると思った。


不器用な私のために。
あなたを大好きだった私のために。


いつのまにか、
悲しい感情になってしまった
あなたへの「大好き」を、
一度も言えなかった、悲しい記憶にしないために。


「大好き」と、言えたなら、
それでいい。

私は、あなたに、伝えたい。



愛されたいと感じるようになってから、
いろんなことを考えた。
本当は、どういう恋を、したいのか。
本当は、どういう人と、一緒にいたいのか。


私が悲しくなるような恋は、もう、しない。
そのために、大好きだった、
大切な気持ちに、自分で、お別れする。

そんな覚悟が、やっと決まったから。
だから、伝えたかった。


でも、叶わなかった。


好きっていう気持ちが、叶うことはないって、
わかっていたけど、
でも、
どこかで、あなたなら、
話を聞いてほしい、と言った私の気持ちを、
その先にある私の本音を、
大切にしてもらえるんじゃないか。
話をする時間は、作ってくれるんじゃないか。


そんな期待があったの。



でも、ただの私のひとりよがりだった。

今のあなたには、
それさえ、難しかったんだ。

そんなあなたに、
押しつけることは、したくない。


あなたのためじゃない。


これだって、私のため。
全部、全部、私のため。


気持ちを伝える機会すらもらえないのなら、
今のあなたに伝えることは、
きっとすごく苦しい時間になってしまったはずだから。

そんな苦しさを知らずにすんで、
よかったのかもしれない。



あなたを大好きな気持ち。
すごく、大切な、私の気持ち。


大切にされないことがわかってて、
自分の大事なものは、
差し出せない。


私は、
あなたを大好きだったことを、
私の心の誰も触れられないところに、
大切に、しまうね。


私の、大切な、恋。
泣けるほど幸せで、
泣けるほど苦しい恋。

手に触れることまでしか、
近づけなかった恋。

それでも。
あなたのとなりで、
そのやさしい顔を見れるだけで、
私、嬉しくて、泣けたの。


あなたと一緒にいる瞬間のために、
私は生きてるなって、思えた。
一緒にいられる時間が大切で大切で、
しかたなかった。


いつも、泣きたくなるほど、
愛おしかった。

そんな気持ちを、
私にくれて、ありがとう。



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