私が追いかけるのをやめたら、この恋は終わると思ってた

寂しがりやの恋


私が追いかけていなければ、
この恋は終わってしまう。


私が諦めてしまったら、
この恋は終わってしまう。



恋をすると、
いつも、そんな気がしてた。


追いかけて追いかけて、
でも、振り向いてもらえなくて。

振り向かずに歩いていく相手との距離を
縮めるには、
私が追いかけてないと、
遠ざかってしまうような恋。


私が連絡しなければ、
連絡なんて来なかった。

私が会いたいと言わなければ、
会う約束もできなかった。

会いたいと言って、会える約束ができるなら
まだいい方で、
私が会いたいときには、会えなかった。

相手が会いたいと思ったときにしか、
会えなかった。


そんな恋を、してきた。


だから、
相手が会いたいと思うような私にならないと、
いけないと思ってた。

相手が会いたいと思ったとき、
いつでも会える私でいないと、
だめだと思ってた。

相手が私のことを忘れないように、
いつも、相手を見張ってた。

私が頑張っていないと、
このふたりは、
終わってしまうと、思ってた。


だけど、
このふたりを守るために頑張るのは、
いつも私だけ。
このふたりを続けていくために
変わろうとするのは、
いつも私だけ。

愛するのは、いつも私だけ。


恋をしているとき、
私は、そんな、気持ちだった。


だから、
私がいなくなっても、
どうせあなたにとっては、
なんともないんでしょう?
って、思いながら、

少しでも、
私がいなくなるのを、
嫌と思ってもらいたくて、
さみしいと思わせたくて、
私の存在を、
証明しようとしてた。


だけど、
自分の過去に愛を探して、
見つけてきた今。

これまでの私は、愛を証明するために、
がむしゃらに愛せるような誰かを
求めてきたけれど、

もう、恐れから、
愛を証明しようとしなくても、いい。

満たされない寂しさから、
誰かを愛そうと、
自分を奮い立せなくてもいい。

誰かを愛することで、
私の価値を証明しなくてもいい。

そんな優しい気持ちが、
私の心に浮かんでる。





恋を休めばいいって、
ジュンコ菩薩は言っていた。

そういえば、
相談する度、毎回言われていることに、
今、気付いた(笑)

それくらい、
走るか終わるかの
2択しかなかった私にとっては、
休む、という感覚が分からなかった。

休む、ということは、
私にとって、
恋の終わりと同じだったから。


今の好きな人に対しても、

いつも、彼の安心できる場所でいないと、
いつも、彼を大切に思っている自分でいないと、
いつも、彼を受け止められる自分でいないと、
私は、彼に、愛してもらえない。

私が頑張るのをやめたら、この恋は終わる。

昔の恋の傷と、
自分自身に対する自信のなさで、
そんな思いが、いつもあった。

だから、
ジュンコ菩薩に、
休憩しても、恋が終わるわけじゃないと、
何度言われても、
心では、理解できてないような感覚だった。


でも、その選択肢が、
やっと、自然に、
浮かんでくるようになった。

今の恋を、
休憩しようかな、と、ふと思えた。

だけど、そうしたら、
途端に怖くなった。

これまで、
私がずっと信じてきた怖れが、
私に想像させる。

私が休んだら、
終わってしまうかもしれない。

もしも、彼が私のことを、
本当に、
信頼してくれているのだとしたら。
私に、
安心してくれているのだとしたら。


私が彼を愛することを休んだら、
彼はどう思うんだろう。

これまで、
彼に伝えてきた私の愛が、
嘘になってしまうんじゃないか。

結局、離れていくんだねって、
裏切られたと、思うんじゃないか。


大げさなのはわかってる。

彼にとっては、
何も変わらないかもしれない。

でも、
彼にとって私が、
大事な存在になれていると
信じたい私が、彼が悲しむ姿を、想像させる。

だけど、それは、
本当は彼の心配じゃなくて、
彼の気持ちの中に、
居場所が残らないかもしれない私のことを、
心配しているだけなのかもしれないことも、
薄々気づいてる。





私ね、

会いに行かなければ、
忘れられてしまうと思ってた。

いつも、ここにいるよ、と
伝えていなければ、
あなたの味方だよ、と
待ってる姿を見せていなければ、
あなたの中で、
私の存在がどんどん小さくなって、
いつか、消えてしまうと思ってた。

だけど、それは、全て、
あなたにとって、
私はその程度の存在、
という思いがあったことの、
証だったのかな。

あなたが、
忘れるような人だと思っているということの、
裏返しだったのかな。


信じていなかったのかもしれない。
私のことも、
あなたのことも。

これまであなたに伝えた、
私の愛が嘘じゃなかったことは、
誰よりも私が、知ってるはずなのに。

わずかでも、
一緒に重ねた時間のことも。

優しい瞳。
穏やかな声。
大きな手の温度。
あの時の言葉。

私は全部を、
なかったことに、したいのだろうか。

そうじゃないのに。


確かにあったことまで、
見ようとせずに、
ずっと、自分の不安ばかりを、見てた。

もっと、あなたの心に
何かを残さないといけないような気がしてた。


それだけ、
信じるのが、怖かった。

私がずっと信じてきた、

頑張らないと、愛されない。
私が追わなければ、終わってしまう。
私が愛さなければ、愛されることはない。

それを手放して、
あなたを信じるのが、怖かった。

私を信じるのが、怖かった。




私は、
あなたを愛したくて、
あなたに愛されたくて、
あなたを見つけたよ。

でも、きっと、
その中に、
私の愛を証明したかった私も、いたの。

たくさんのハードルを乗り越えて、
もしもあなたに選んでもらえたら、
私の愛を証明できる。
頑張ってきて、よかったと思える。
これまでの愛が報われる。

自分を満たすためだけに、
あなたを愛したわけじゃないけれど、
満たされない私が、
満たされたいと、
叫んでいたのも、本当だったと思う。

純粋な愛と一緒に、
自分の愛を証明したいという、
切実な願いがあったのかもしれないと、思う。


だけど、
もう、証明しなくても、良くなった。

証明なんてしなくても、
すでに、私の愛には価値があったから。
今のままの私でも、
そこにいるだけで、
愛する人を幸せにすることが、
できると、わかったから。


私ね、

ただ、一緒にいられればいい、
という気持ちの裏に、
不安や我慢をひた隠しにしながら、
あなたを愛してた。

一緒にいられればいい、なんて、
本当は、一番の本音じゃない。

本当は、
もっと、あなたがほしかった。

一緒にいられるだけじゃ、
手に触れるだけじゃ、
本当は、足りなかった。

もっと触れたかった。
あなたを感じたかった。
ひとつになれたら、どんなに幸せだろうって、
思ってた。

でも、
それは、
望んではいけないと思った。


もっと連絡を取りたかった。
電話で声が聞きたかった。
安心できる言葉が欲しかった。
たくさん会いたかった。
1日中一緒にいたかった。
手をつないで、歩きたかった。
一緒にどこか遠くへ、出かけたかった。

大好きと言いたかった。
あなたの彼女になりたいと、
伝えかった。


でも、それをしたいと言ったら、
終わってしまうような気がした。

今のふたりには、
叶えられないと思った。

だから、
たくさんの願い事を、
ひとつひとつ、
心の底に鍵をかけてしまうように、
諦めていった。

そしたら、
最後に、
ただ、一緒にいられたらいい、が
残っただけ。

だから、
ただ、一緒にいられればいい、
わけではなかったよ。

でも、
たとえ全部を諦めても、
一緒にいられる時間を守りたい
って思うほど、
あなたを好きになったの。


あのね、

「さみしいけど、連絡が来ないときは、
あなたが頑張ってるときだって思って、応援してる」
なんて、
それを伝える前に、
100万回のさみしいを飲み込んで、
伝えてる言葉だったよ。

そんな、
たった一回のさみしいでも、
あなたを追い込んでしまうような気がして、
勇気を出して、
必死に伝えてたよ。


あなたの前で笑顔でいるために、
自分の気持ちを、我慢してた。

あなたの安心できる存在でいるために、
自分の不安を、我慢してた。


本当は、
あなたを愛することに、
いつも、少しだけ、
無理をしてきてしまった。

そのことを、
認めたくなかったけど。

自分のことを、少しずつ、
愛せるようになってきた今、
無理をしている自分を、
私は放っておけなくなった。


ずっと信じてきた、
自分の愛し方を変えるのは、
とても怖いけど。

でも、もう、
私がさみしくなるような愛し方は、
私が苦しくなるような愛し方は、
私のために、
たとえ少しづつでも、
やめていきたいと、思った。







ずっと、
あなたのそばにいたいと思う。
あなたの安心できる存在でいたいと思う。
あなたを見つめ続けて、
照らしていたいと思う。

そんな、純粋な愛を語る私の裏に、

壊してしまうのが怖くて、
本当の気持ちを言えなかった私。
ひとりになった後、
ぽっかり空いた心の穴を持て余して、家に帰る私。
連絡が来るのを待つと寂しくなるから、
来ないものだと、思うようにしてた私。
楽しそうに手をつないで歩く恋人たちを見て、
描きそうになる夢を、そっと諦めた私。
諦める度に心に積もっていく小さな悲しみが
溢れてしまったとき、ひとりで慰めた私。
しくしくと心が痛んでいるのを、じっと耐えた私。
寂しくて仕方なくて、ひとり涙を流した私。


そんな私が、いたよ。


あなたの前で見せてた、
笑顔の私の裏に、
たくさんの、
笑顔でいられなかった私がいて、
その私が、頑張ってたから、
あなたに会いに行くことができてたの。
あなたの前で、笑うことができてたの。

もちろん、
笑顔でいられなかった私がいたのは、
あなたのせいじゃない。

私があなたを好きになって、
会いたいから、会いに行ったの。

言わないことを選んだのも、
我慢することを選んだのも、
私。

あなたを愛したかった、
私が決めたこと。


だけど、私にとって、
あなたに会いにいくことは、
あなたの前で笑顔でいることは、
それだけの覚悟が、
いることだったんだと、思う。


私は、
今まで、そのことを、
認めてこれなかった。

傷ついてる私がいることを、
見ないふりして、
あなたの前にいるときの私だけに、
全力を注いできた。

だけど、もう、
それはしたくない。
見て見ぬ振りは、
もうしたくない。

私が、まず抱きしめるべきなのは、
あなたではなく、
笑顔の私の裏にいた、
傷ついているたくさんの私だと、
わかったから。


でもね、

もしかすると、
傷ついた私を抱きしめることは、
あなたを抱きしめることで、

あなたを抱きしめることは、
傷ついた私を抱きしめることなのかもしれない。

そんな風にも、
今、思ってしまった。


あなたに出会ったのは、
あなたに出会って、
何度も何度も、
傷ついている私に出会うのは、
今が、
これまで傷ついてきた私を、
もう、見て見ぬふりはしないで、
抱きしめるタイミングなんだって、
ことなのかもしれない。


今度こそ、
悲しい愛の話じゃなくて、
幸せな愛の話を、描きたいから。


ああ、
休憩しようって話を、
休憩するつもりで書いていたのに、
やっぱり、
結局、会いに行きたくなってしまう。笑


少し無理してでも、
会いに行ってたのは、
それだけ、好きだったから。

どんなに寂しくても、
あなたの前で笑顔でいられたのは、
大好きだったから。

やっぱり特別な人だと、
心が感じていたから。


だから、
あなたの前で見せていた、
笑顔の私だけじゃなくて、
傷ついたたくさんの私を、
抱きしめられるような私になれたら、
また、会いにいってもいいかな。


傷ついた一人一人の私を、
たくさんたくさん愛したら、
あなたを抱きしめにいっても、
いいかな。


これまで見せてた、
いつも笑顔で、
器の大きい素敵な私じゃなくても、
さみしくて、惨めで、嫉妬深くて、泣き虫で、
カサブタだらけの私でも、
あなたに抱きしめてほしいと、
伝えにいってもいいかな。


あなたは、
それまで、
待っててくれるかな。


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